笛吹き少年の行くえ(2)/Giton
 
けです。
  そして、各作品の完成度に対する評価を持ち、それによって完成品と未完成品とを取捨していたのは、間違えないと思われるのです。たとえば、文語詩について言えば:

「賢治自身の『文語詩稿』の完成度に対する評価は、『五十篇』を第一に、次いで『一百篇』、そして以下に混然として『未定稿』が置かれているという順序だったと見ることが出来る。」

3群の文語詩グループすべてにわたって、多くの原稿に記されている(了)(注:「○」の中に「了」)印の「存在は、定稿用紙清書以前のある時点で、一旦推敲を完了したと見なすことがあったことを窺わせる。」{注=栗原敦『宮沢賢治 透明な軌道の上から』,1992,
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