笛吹き少年の行くえ(2)/Giton
の草稿に見られる推敲は、作品の最終的完成のために、ながい時間をかけて、あちらを直し、こちらをととのえる、といった、普通に考えられるような推敲ではなく、ある時に作品のはじめから終りまで一貫して手が入れられ、そこで一つの新しい完成形が成立し、それからまた時をおいて、はじめから終りまで通して手入れがされ、作品がさらに新しい完成形に達する、という具合に、その大部分が、いわば層をなして積み重なっている」
「その都度その都度の完成と、そこからの転生、再完成の繰り返し。」そこに思い合わされるのは、『農民芸術論綱要』に賢治自身が記した「第四次芸術」「永久の未完成これ完成である/理解を了へばわれらは斯る論をも
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