笛吹き少年の行くえ(1)/Giton
 
教養のなせるわざであった」(注:賢治は、親友に送った手紙の最後に、「もう一度読んで見ると口語と文語が変にまぢってゐます これが私の頭の中の声です 声のまゝを書くからかうなったのです。」と記しています(1919.7.保阪嘉内宛[152a]))「だがそれが意識化される時、定型化と典型化の意志が伴われていたことは確かである。」「方法が意識された時、その時の賢治にとっては、『文語』は意識された方法に対する距離の保証にちょうど見合うものだった」(注:栗原敦:op.cit.,p.422. )

 (3) 定型化によって、作者と対象の間に距離を置くことで、ロマンチックな主情を排し、客観的・即物的な彫塑を目指
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