笛吹き少年の行くえ(1)/Giton
 
、文語詩に戻り、しかも7音・5音による非伝統的な定型詩形式の模索まで、しているのか?
これは、まだ十分に解明されていないのですが、これまでに、いくつか挙げられている理由は、次のようなものです:

 (1) 当時(1920-30年代)の地方の読者にとって、口語詩は難しくて理解困難なもの、むしろ文語和歌や文語詩のほうが理解しやすかった。
   端的な例としては、冒頭で触れた詩碑の建立も、“難しい”口語詩よりも、“わかりやすい”雨ニモマケズが選ばれたのです。

 (2) 「なぜ『口語』でなく『文語』がこれらにおいて選ばれたか」
   「無意識のうちに『文語』が混じるのは、生育期の時代と教養
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