歯痒さで発芽する/ホロウ・シカエルボク
方不明者の亡骸のように
時折窓際で夜を眺めながら
見えない揺らめきを
聞こえない囁きを
見ようと
聞こうとして
精神が引きつるのを感じる
誰かの棺をこじ開けようとするみたいな
罪悪感と興奮にとらわれて引くことも進むことも出来なくなる
差し出した手は空間に針で打たれたみたいに強張って…
粒子の一粒一粒の中に詩はあって
死のように生きるために僕はそれを探している
夜は残酷なほどに盲目で
そしてそこにはどんな理由もなく
新たに創造される世界なんて
もう
どこにも
ないんだと
例えそれが果てしのない皆無でも
まだ人生は終わることはないし
初めて覚えた
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