光/葉leaf
 
いた共同体の被膜から解き放たれ、内部は限りなく外界へと、灼熱と極寒の入り混じった指先を伸ばし始めた。自己愛はただむき出しの暴力として、外界のむき出しの暴力と硬く接する平面で狂い始めた。そして、暴力同士の衝突により暴力である自己愛は砕け、もはや自己愛は一つの葛藤となり、自己を愛することへの懐疑がそのまま自己を愛することとなった。水のように自然に湧いては外側へと厳しく溢れていた自己愛が、渦を巻き、還流し、ときには枯渇した。

20代の終わり頃、もはや軌道を失った自己愛は、正常な軌道を求めて他者の愛を求めた。ねつ造され、幻視され、飾り立てられた他者の愛を。外界から正確な時計を持ち込みただしく針を刻む
[次のページ]
戻る   Point(1)