ルーシー・ダウト/佐久間 肇
 
今朝、あまりにも小鳥がうるさいので。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

・・・・・闇で射った。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

小鳥は闇に射られて、鳴くことをやめた。

・・・・・・・・・・

射られた喉元から、躯の中に潜んでいた、あの子が現れる。
あの子は、見紛うほどの紅(くれない)の憂鬱と、
紺碧の楽天と、金色(こんじき)の絶壁をくるくる回して、
三角の頂点を行ったり来たりしていた。

喉元からじゅるりと出てきたあの子、は。
潜むことが大好きなあの子、は。
三角の
[次のページ]
戻る   Point(3)