トーキョー/智鶴
 
を塗して塗り固めて
皆哀しい石像みたいだ
一心不乱により美しくなろうとして
そして誰もが同じ一人になる
もう皆、何処を見ているかも分からない
白い眼で薄ら笑い乍ら
それぞれが最も美しいポーズで固まってしまった
同じ姿で同じ顔で
でも、誰もそれを見てはいない
見えてはいない

虚像、偶像、イデアリスム
求めるものなんて無限にあるんだ
次から次へと手に入れては
全て捨てていく、それはガラクタだと
必死で求めたそれは実はアヒルの死骸だったのに
まるでよくあることの様に投げ捨てた
あまりにもそれが当たり前になってしまったから
積み重なっていく罪にも罰にも気付けなかった
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