陽子のベクトルは太郎を指向するのか/草野大悟2
だ。ちょっとそのナポちゃん俺によこせ」
「どうするんですか?」
「いいからよこせ」
「はい、どうぞ」
「うん、素直でよろしい」
言うが早いか、太郎はそれを飲んでしまった。
「あー、守田さーん」
「う、う、ヴー」
「ど、どうしたんですか?」
「ヴー、ヴー、ヴー」
「だ、大丈夫ですか、守田さん?」
「きっ、きっ、北、お前これ舐めてみろ」
「だって、もう残ってないでしょ?」
「残ってるって。少し残しておいた。お前のために。俺がナポちゃん一人占めするようなそんな姑息な人間に見えるか?」
「ええ、見えます」
「ほんと、お前は無意味に素直だな。ま、飲め」
「それじゃ、遠慮な
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