陽子のベクトルは太郎を指向するのか/草野大悟2
 
パンツだし、天気いいし」
「なに言ってんの。訳判かんない。太郎!」
「は、ハイッ」
「あたし、小学校のセンセになりたいよぉ、太郎」
「なりゃいいじゃん」
「でも、試験、落っこちたんだよ」
「そんなもん気にすんな。俺は大学院当たったんだから」
「あーあ、小学校のセンセになりたかったなぁ。ビールお代わり下さーい」
(あ、二杯目、ピッチ早や)
「なりたかったなぁって、らしくねぇぞ、陽子」
「ん?、らしくねぇって、どういうことよ」
「どういうことも何も、そのとおりのことじゃん」
「あたしらしくないってこと? あ、もう一杯ビール下さーい」
(げっ、三杯目、ヤバ・・・)
「そ、陽子
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