粉雪/寒雪
 
ってるね
きみがぼくの知らない誰かに
変わってしまわない限りは


日の光が逃げていって
うす暗くなった白い壁を
ただひたすら見つめていた
あの日のきみが
欲しいとねだったから
窓を開けて
かき集めて
きみの元に届けた粉雪
ベッドで二人覗いた
ぼくの手のひらには
雪がとけて形を変えた水滴が
ぼくの心を代わりに
きみに教えてしまったみたいで
思わず俯いたぼくの手を
握りしめたき?みの
その感触の
儚さに
残酷さに
ぼくはただ
肩を震わせるしかなくて
そんなぼくをきみはたしなめて
ただ
責めないから
とだけ呟いて
それからぼくときみは
言葉を
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