花火の夜/AB(なかほど)
 


すぐそこにいろんな街が見えるはずなのに
ここは
一体ここはどこなんだろう
僕はどこまで来たのだろうか


流通団地の倉庫の屋上から
東京湾花火が見え、
耳を澄ませば

遠くの
 野球場の歓声
  野外音楽場のベース

遠くの
 遠くの
  僕の声

遠くの
 遠くの
  遠くの
   君の声

    君の声


僕は腕を広げ
抱き締めるように
蹲り

僕の港は
ここなんだ

と言い聞かせた}





文京(お稲荷さん)


{引用=いつの日かの憧れであった
本郷で道に迷った

しめしめと にた
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