森山恵詩集『みどりの領分』について/葉leaf
象ではないし、分析の対象でもないし、数量化の対象でもない。だが、だからといって、自然は人間とまったく異なる原理で成立しているわけでもない。自然と人間に共通する原理とは「愛」の原理ではないだろうか。ここで言う「愛」とは、生命を持続させていく根源的な働きのことであり、生命を破壊させる「憎しみ」の対義語となるものである。
この作品に見て取れるように、自然も人間も栄えるだけではなく滅びることもある。だが、にもかかわらず、何回でも「生まれ変わる」、枯れていきながらも種を残し生命の筋を持続させていく、そのような働きにおいて根源的に通じ合っているのではないだろうか。人間の愛には様々な種類のものがある。恋愛も
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