森山恵詩集『みどりの領分』について/葉leaf
 
の関係性についての深い洞察がある。そして、この見方は人間が自然を支配し分析していくのだとする機械論的自然観と真っ向から反する。かといって自然と人間が互いに独立した原理を持つ有機体だとみなす有機的自然観とも異なる。森山は、たとえ自然と人間とが異なる原理を持つものだとしても、同時に共通する原理も持っていることを直感しているように思える。そして、その原理は、単に人間も自然も生命を持つんだ、ということではなく、その生命の根底にあるような原理であり、自然と人間との深い交渉を可能にする共通の原理であろう。かといってそれが人間や自然を超えたり包摂したりするより大きな宇宙の原理であるわけでもなく、あくまで人間と自
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