森山恵詩集『みどりの領分』について/葉leaf
取れる。いわば森山は自然を比喩するのに自身の身体を用いているのである。その後、「とりどりがわたしの骨の中で/騒ぎ、/泣き、/破り、」とあるのは、森山の身体のざわめきを自然を用いて比喩している典型的な手法である。重要なのは、森山が自身を自然で比喩するのみならず、逆に自然を自身の身体でもって比喩しているように思えることである。比喩においては比喩されるものが主体となって前景に現れるのであり、それゆえ森山の身体によって自然が比喩されるとき、森山自身よりも自然の方が主体であり前景に現れるのだ。
このように、自然が単に人間に従属するのではなく、同時に人間が自然に従属していくところに、森山の自然と人間との関
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