存在と無存在と実存在と(“存在”の本章として)/HAL
 

きみらも誰かたちもそのまた違う誰かたちの存在という事象がなくなり
無存在となって存在してしまうことだ

なくなってしまう存在なら何の問題もない
しかし無存在もまたひとつの存在として存在しているのだ
そのままにしておくと無存在で埋め尽くされた仮想現実だけが存在し
実存在という存在本来の存在がすべて無存在という存在になって
まったく別種のまたそれまでと余りにも似た不気味な世界が生まれてしまう

それはいまきみらの誰かたちのさらにまた違う誰かたちの存在の意味が
すべて失われてしまうことを意味するが
それはそれまでの存在と酷似しているが中核はまったく異質なものだ
きみらも誰かたち
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