固泥/ねなぎ
便座に
塗りたくった
赤色の
粒が
頬から
固まって
張り付いて
取れずに
流れた
瞼が
だらしなく
くっついて
動けないまま
くの字に
折れて膝を着き
霞んでいる
朝に
パサパサの
脂ぎった
髪の毛を掻き回して
引き千切るのを
辞められない様に
痒みが
全身を包んで
止まらない震えを
抱くように
滲んだ汗を
掻き毟って
フローリングに
爪を立てて
引き摺られている
昼に
仰向けたまま
空気の
重さに
沈んだまま
指一本動けずに
体は紙のように
鈍く同化される
されど
頭は
異様に
回転し
天国に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)