固泥/ねなぎ
 
国に居る
明日は
既に昨日かも
知れない

閉め切った窓が
埃で煤けて
濁って何も見えやしない
遮光性のカーテンじゃ
光は射さなくて
熱は
只々
篭もるばかり

そして
誰とも話さず
ただ潜るように
積み上がる瓶の淵を
舐める日々

水で濯いでも
麻痺して
取れやしない
饐えたような
匂いのする
蒸された
ドロリとした日々の
夢の中で
いつしか
取り除かれて
二度とは
戻らなかった

見つけた
固形になった
白く
つやつやと光る
丸い玉を
人差し指と
中指で弾いてみると
注ぎ込んだ
時間みたいに
どっかに
すっ飛んで
消えていった
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