クラブマリノス/草野大悟2
 
 女の子ばかり三人続いて、今度こそ男の子を、と夫婦で「男の子の産み方」を熱心に調べ、最も確からしい方法を実践した結果僕が産まれた。
 両親はとても喜んで、男の子は男らしく、女の子は女らしく、という当時最も一般的だった教育方針に沿って僕を育てた。
 父は、歩き始めたばかりの僕に、特注の柔道着を着せて刑務所の道場に連れていった。とても楽しそうに、満面の笑顔を浮かべて。
 僕は、その頃から色白のぽっちゃり体型で、目だけはクリクリと大きかったから、保育園のみんなからは、シロブーちゃん、と呼ばれていた。
「シロブーちゃんはおめめが可愛いね」
 そう言われると無性に嬉しくなって、目を精一杯大きく見開
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