潜る/凍月
本ページを捲れど真っ黒で憎悪の言葉が延々と何重にも何重にも綴られて裏返るのは低い声裏切るのは周りの人の期待言葉の裏に凶器を忍ばせ心の中に狂気を潜ませ棺の中に死体を隠し身体の中に死体を隠す気付いていない自分は既に死んでいる白骨は焼かれて灰となりまだ動く心臓は肺の場所に未来ある胚を潰し脳まで取り出し叩き潰す両手を縛って吊しとく花の香りがする蠅が飛び交う山羊と豚と左手と蛸地獄とは何処にあるのか偶に知りたくて堪らなくなる舌が動く気味が悪い脈打つ血管に恐怖を覚え見える獣より見えない怪物知らない魔獣より気付けない悪魔水面に映る月に映ってる窓を開いては閉じ鍵をかけ自分が人間である事の賭け今悩む時点で何らかの負け
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