潜る/凍月
 
負け人が上から飛び降りる為の崖過去と未来による卑下に幕が上がって始まる悲劇人生と云う名の寸劇何も知らずに踊るなら良しそうはいかないのが人間と云う葦一本だろうと千本だろうと変わらない手を繋いでも心は離れ手を差し伸べても意味は無く喩え手を伸ばしても死は止まらない誓えよ我よ内側の者よ朽ちゆく宮殿待ち構える豹変割れた破片心の欠片切り刻まれた何かの欠片見てはいけない不思議な祠まだ入れずまだ分からない自分の深淵にはまだ入れない古代の神託など解らない足を踏み入れて良いのだろうか足を踏み出しても生きていれるだろうかそれすら判らぬ闇の底点滅するのは世界の光怪しく瞬く異常の光ズレた世界が産声を上げる壊れる者の叫びが上
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