ガラスの銃創/ホロウ・シカエルボク
て生身だ、どんなモラルや規律を盛り込んで飲み込んで実践して見せたところで、愚かで艶めかしい野性を消し去ることなんて出来ない、俺にだってぶっ殺したい人間の一人や二人居るさ、生物としちゃそれが自然ってもんなんだ、俺は嘘はつかないぜ、ただ真実の話し方が少し違うだけなのさ、俺はすべてを同時に話そうとする、そうするのが一番自然だからさ、どれかひとつをピック・アップした時点で真実は嘘になる、どんなに綺麗に飾ってもそれは生花と同じさ、土から離れた、殺された花だ、たいていのやつらは真実のように飾られた嘘を語るのが好きだ、ピック・アップされたひとつだけを話すのが好きだ、俺はそんなものには興味は無い、土に根を張った、
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