出来過ぎた話だと思われるかもしれないが書き終えたのは四時四十四分だった。/ホロウ・シカエルボク
に感じたことは無いかい、こんな時間に目を覚ましてさ、そんな思いに囚われたことは無いかい…ないとしたらそいつは幸せなことだね、そいつはきっと幸せなことなんだと思うぜ、こんなことは無いなら無いに越したことは無い、まるで思考が馬鹿な飼犬のように、はぐれたリードを引き摺りながら無軌道に走り出してしまうのさ、そしてそう、きっと、車のタイヤで首を捩じ切られて終わったりするんだ…昔、少しの間だけ飼っていた犬はそうして終わった、こんな夜には不思議なほど鮮明に思い出すよ、吐いていた血は僅かだった、首が捻じれていて…抱いて歩いているとぐらぐらと揺れた、そのころ住んでいた家の近所に獣医があって…いまはもうやっていないか
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