出来過ぎた話だと思われるかもしれないが書き終えたのは四時四十四分だった。/ホロウ・シカエルボク
いかもしれないな、とにかくそこへ連れて行ったら、もう首の骨が折れていて無理だって言われた、あんときはまだ温かいそいつを抱いて泣きながら帰ったっけな、そんな風にして別れたのはそいつだけだったな、後はみんな長生きしたよ…だけどさ、あいつらが生を忘れるとき、いつも、俺の代わりに死んでくれるのかもしれないなんて、そんなことを少しだけ考えたな―俺はいつもそんな風に代わりに死んでくれるものを探しているんだ、例えば、こうした乱雑なものの中や、あるいは小説や、コミックの中なんかにね…代わりに死んでもらって安心しようとするんだ、だからこれはある種の感情によく似たなにかというわけなのさ…午前四時だってそんな風に書き始めてからもう四十分が過ぎた、台風が通り過ぎて今日はいい天気になるだろう、猛暑日だって昨日の夕方のニュースじゃ言ってたよ、もうすでにこうしていると汗が滲んでくるくらい暑いんだ、さて、朝までにもう少し眠ることが出来るかな…少し離れた空で鴉が鳴いている…。
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