いつかこころが目覚める朝に/ホロウ・シカエルボク
いうことは判ったが
滑稽なほどに隙だらけだった
自分が潜んでいるすぐそばを通っているのに
全く自分の気配に気付けないのだ
ケモノビトはほくそ笑んだ
相手にならない
こいつらはきっと狩りをしたことがない
ケモノビトは彼らを襲うようになった
なにせ自分たちのほうから狩りやすい場所に来てくれるのだから
こんなに都合のいい話は無かった
抵抗されると力の強さに辟易したが
それでも隙だらけだったからなんとかなった
鉄のにおいがしていたから油断はしなかった
森に来るやつらが持っているものに似た
火を噴くやつと同じにおいがしていたから
こいつらは皆引き締まった肉体をしていて
存分に
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