いつかこころが目覚める朝に/ホロウ・シカエルボク
 
いて
腐敗が酷くなるまで見つけることが出来なかった
どうしてこんな場所に
というところに隠されていた
建物

空地
それらの盲点と呼べるような場所に
まるで
迂闊さを笑うかのように隠されていた
検死の結果彼らは皆食われていることが判った
街中に厳重な警戒態勢が施された
死体のそばには決まって
長い長い毛が落ちていた
人間の髪の毛だった
警察はその髪の毛から
取れる限りの情報を採取した
だが
過去に犯罪を犯した者のデータとは一致しなかった
彼らを困惑させたのはその長さだった
仮にこれが犯人のものなら
この髪の毛だけで相当に目立つだろう
だが
そんな人間
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