いつかこころが目覚める朝に/ホロウ・シカエルボク
 
ンターが凄い勢いで逃げた時に乗っていたものを
ケモノビトはどこかで見たことがある気がした
そう
母親と一緒に暮らしていた
あれによく似ているんだ
あれよりもずっと綺麗だったけれど
確かめに行こうかと思ったが
あそこには母親でなくなった母親がきっとまだいるだろうから
あまり気が進まなかった
またでいい
そんなに急いでいることでもない
ケモノビトは
そう考えて眠りについた
その夜は夢を見た
母親が狩を教えてくれていた頃の夢だった
ケモノビトは母親の動きに集中した
きっとなにかヒントがあるはずだと思って
ケモノビトはその夢を入口に
ひとつひとつの出来事を丁寧に思い出し
[次のページ]
戻る   Point(1)