いつかこころが目覚める朝に/ホロウ・シカエルボク
 
訪れたが
全員喉笛を咬みちぎられて帰ることが出来なかった
「あの森には何かがいる」もう数年経つ頃には
ハンターたちの間で
そいつのことはちょっとした怪異譚のように語られていた
いつ頃からかそいつには名前がついた
ケモノビトというのがそれだった
ケモノビト

呼ばれるようになったそいつは
それでも時々手柄を立てようと森に忍び込む欲深なハンターを
いつからか楽しみに待つようになった
奴らの肉は
噛みごたえがあって美味いのだ
ケモノビトにとって彼らは
一番のご馳走となっていたのだ
その日も
ケモノビトは
愚かなハンターの喉を食いちぎり
その味わいに恍惚となりながら
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