いつかこころが目覚める朝に/ホロウ・シカエルボク
び掛かり組み伏せた
まだ早い朝の中に銃声が轟いた
ヨシヒロは男の首筋に咬みついた
一気に引き裂こうとした
「よしなさい!」
ヨシヒロは身体を起した
老婆が銃声を聞きつけて出てきていた
数匹の猫もだった
「よしなさい」と老婆はもう一度言った
「あんたは人間なんだ」「そんなことしちゃいけない」
ヨシヒロは少し迷ったが老婆の言う通りにした
「こっちに来なさい」老婆はヨシヒロを呼び寄せ
自分の後ろにつかせた「なんでこの子を撃つのかね」「ここはあたしの家だよ」
「そいつは人食いだ」と山から降りてきた男は話した「昔はその山の反対側に居た」「俺の友達はそいつに食われたんだ」老婆は眉ひと
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