いつかこころが目覚める朝に/ホロウ・シカエルボク
 
な米や野菜を作った
二人と数匹の猫で生きていくには申し分ない量だった
穏やかで少しずつ失われていく暮らしは
淡々と過ぎていくように思われた
ある日の朝だった
ヨシヒロが畑に出ていると
一人の男が山から降りてきた
「あの」彼はライフルを持っていた「ちょっと聞きたいことが」
ヨシヒロは振り返った「誰ですか?」男はヨシヒロを見てひどく驚いた顔をした
ヨシヒロはその男をどこかで見たことがあるような気がした
「見つけた」と男が言ってヨシヒロに銃口を向けた
ヨシヒロはそれで思い出した
「逃がしたやつ」だ
ヨシヒロは獣に戻った
咄嗟に危険を感じ取った
銃口が引かれる瞬間に男に飛び掛
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