いつかこころが目覚める朝に/ホロウ・シカエルボク
でからは早かった
走ることだって出来るようになった
二本足で歩くことは確かに便利だったけれど
四本足で歩く時ほどの爽快感は無かった
「そりゃ人間はそんなに急いで走ることなんかないからな」「あいつらは乗物っていうのをいろいろ持ってるんだ」「行先に応じていろいろなものに乗り換えたりするのさ」「…さっぱり判んないな」「しっかりしろよ人間」
歩くことと走ることがきちんと出来るようになったあたりで
老婆は自分の畑仕事を簡単なことからヨシヒロに手伝わせた
必要に応じて少しずつヨシヒロは言葉も覚えていった
「ご飯」「種まき」「服」「耕す」「布団」「猫」「お婆さん」「畑」
「人間になってきたじゃ
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