いつかこころが目覚める朝に/ホロウ・シカエルボク
んなのかなんてよく判らない」
「あなたは人間だわ」と雌猫が言った「そのもじゃもじゃした毛を取っちゃえばきっとそれらしくなるわよ」
その時ちょうど老婆が新聞紙と鋏を持って現れた「ヨシヒロ」
ヨシヒロは老婆のもとへ行った
雌猫もついてきた「ほら」「切ってくれるのよ」「サンパツって言うのよ」
「サンパツ」「そうよ」
老婆はその間に新聞紙を畳の上に敷き
それが終わると新聞紙の上に椅子を置いた
「ヨシヒロ」「ここに座りなさい」
ヨシヒロはよく判らずに椅子の周りをうろうろした「ほら」
老婆がヨシヒロの身体を起こして椅子へ座らせた「上手く座れないようだね」
「もっと身体を起して」「背を伸ば
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