いつかこころが目覚める朝に/ホロウ・シカエルボク
 

初めに話しかけてきた老猫と老婆があれこれと世話を焼いてくれたおかげでどうにか食べることが出来た
「美味いだろ」「これは全部あたしが作ってるんだ」
ヨシヒロは老婆をじっと見たが彼女が何を言っているのか理解出来なかった
老婆はふっと笑って言った
「あんた賢いんだね」「あたしの言うこと聞けばもっと賢くなれるよ」


三日もすればそれまでそこで老婆と暮らしていた猫たちとヨシヒロとの関係はすっかり仕上がっていた「あなたは猫なの?それとも人間なの?」と若い雌猫が聞いた
「人間?」とヨシヒロは聞き返した「判らないの?」
「おれは君たちと同じ…猫という生物に育てられたんだ」「おれは自分がなんな
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