いつかこころが目覚める朝に/ホロウ・シカエルボク
わらず困惑していたが
とりあえずそうしてみようと思った
ケモノビトが判ったという仕草をすると
他の猫たちも集まってきてよろしくと言った
「あらあら」老婆が笑いながら言った「もう仲良くなったのかい」
「いい子だね」老婆はケモノビトの頭を撫でた
ケモノビトは驚いたが
なぜかそれが心地良かった
ケモノビトは喉を鳴らしながら老婆に身体を預けた
「重いよ」と老婆は笑った
「あんたの名前を決めなくちゃね」老婆は少し考えた「ヨシヒロでどうだい」
「あたしの息子の名前なんだけどね」「もう死んじまってるから使ってもいいだろ」
ケモノビトは無意識にその言葉を繰り返そうとしていた
だが
ろく
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