燃焼/葉leaf
からも真に愛されることがなかった。俺は全く無力で救いようがなく汚れている。こんな想念が大気を着色するかのように私の風景を狭める。つまりは、絶望の病巣がまだ活発に生きている証拠なのであって、若い頃に絶望と共に燃え尽きることのできなかった私が燃え残った絶望の飛び火をたびたび浴びるという具合なのだ。
だが絶望は果たして忌むべき病巣なのだろうか。絶望しているとき、人は何事も待たずに済む。人は余りにもたくさんの美しいものを待ちすぎている。それに、絶望しているとき、人は何事も探さずに済む。人は余りにもたくさんの尊いものを探し過ぎている。絶望は、人が常々負っている「待つ」「探す」という負担を免れる心の状態
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