人へ/葉leaf
然に近いもの
〈個人の外の集団〉
個人に秘密なんて何一つない。
集団の仮構された頭脳の中に形成される意志や感情こそが秘密である。
僕は集団で共有される秘密の一歩手前でいつも拒まれる。
集団の秘密は個人を連携しながら機に応じて大きく揺らいでいく。
僕はその動きに乗りきれず囲まれた秘密の外壁の模様を見るだけ
〈晴れた日の晴れやかな憂鬱に〉
僕の手は遠くに切り離された。
もちろん僕の脚なんてどこかに隠されてしまった。
最も近い所に次々と大きな隔たりが注入されていきその隔たりの無意味さに感動した。
自分が無意味なのは言うまでもないが自分を疎外していく隔たりの方がもっと無意味で
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