人へ/葉leaf
味で香ばしく瑞々しい。
〈重くすれ違った君へ〉
お互い幸せを求めていたのに互いの中には不幸しかなかった。
お互い愛を求めていたのに互いの中には与える愛がなかった。
お互い対話を求めていたのに求めすぎていて語り尽くせないことばかり目についた。
僕も君もやがて互いの中で花咲くことをやめて、消化できない硬い種になった
〈研修の日々の濃度から離れて〉
急速に出会い急速に別れていった僕ら。
人間という強い酒を何杯もあおりながらしたたか酔っては二日酔いしか残さなかったよね。
人間の色彩が、結び目が、光と影が、柔らかさが、かたちが、難しく交差しては激しく散って行った。
十年後にはお互い忘れて記憶の落書きになる
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