走れ!寝坊助/游月 昭
黒い霧が晴れると
激しいのどの渇きに気づく
連なる衝撃をベースに
通学路が揺れる
安物のスニーカーは脳に響く
学生帽に埋まったタクシーが追い越していく
ブルジョアか?
建物までの距離は
1:1:√2 (合ってるのか?)
ひとよひとよにひとみごろ
何で2を走らないといけない!
線路は邪魔だ!
ヤッパリ自転車で来るべきだった
人影はない
孤独のメロスはあさはかな俺
布団の中で授業を受けられる未来が恋しい
時計が冷ややかに俺を応援している
しまった!
−−タイッカンシューズ
地球の果てまで間抜けな俺は
獄門の上、晒し首に等しい
轟轟と音をたてる線路下を
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