走れ!寝坊助/游月 昭
 
下を
躊躇なくくぐって目指すど真ん中へ
競技場までの直線を全力の一歩手前
田んぼのイネは、またかと手をふっている
閉ざされた裏門からの距離は
1:1:√2 (ほんとに合ってるのか?)
何でここも過ぎ去らなければならぬ!
正門を抜けて最終直線
スピーカーは俺を待っていてくれるのか
ああ!
−−タイッカンシューズ
ピロティを抜けると心臓やぶりの階段を
一つ飛ばしでかけ上がる
給水機を睨みつけ
てれ〜んぱれ〜んと歩く先生発見!
スピーカーの歓声が俺を包む
おはようございます!で
てれ〜んぱれ〜んをやり過ごし
教室のドアを開けると、
「起きなさい、遅刻するよ」
と母の声
地獄のランニングは今から始まるのだ



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