わたしと猫と豆の樹?/まきしむ
 
#8232;
 「植えろ」
「植える?何をだい」
「これ。トマトの木」 

言いながら差し出されたばあちゃんの手は、白くつややかで、もはやばあちゃんのそれではありません。驚いて顔を見てみると、映画で見る舞子さんのように美しい顔をしていました。ばあちゃんはもうばあちゃんではありませんでした。かといって気楽に話しかけられるような軽薄な雰囲気もありません。 

 猫がばあちゃんにすりより、着物に顔をすりつけています。撫でてもらいたがってるようでした。 



「これ。植えるんだよ」 R
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