ルオー/soft_machine
 
過程において対象の本質を汲みとり、平面をより強固にする存在の再構成である。そんな初歩的な理解が、ルオーの絵の説明に不足であるくらい、私でも分かる。ルオーの絵にはそれ以上の何かがある。しかし、それが何かが分からない。
 私はルオーの絵が持つ衝撃の、謎が知りたい。はじめてその絵を見た時から解けずにいた謎を。
 体をひねれば、そこにはルオーがある。ひょっとして今日の私なら、なにか新しい発見があるのではないかと期待している。しかし、もしなにも見つからなかったら、と、不安にもなる。
 私はこの場にあってもこうした気鬱に閉じこもろうとする自分を嗤った。今日はよく「絵が見える」じゃないか。それでわからなけ
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