ルオー/soft_machine
下で、山行らしい装いの一団があかるい声を響かせていた。
バスを降りてきた人々が、重い足どりで散りぢりになる。
私はひとり、オフィスビルが立ち並ぶ、しかしそのほとんどがまだ眠っている、目抜き通りにぽつりと灯ったファスト・フード店の看板を目指した。
うす暗い階段を降りてすぐの店内は、クラシック風の安っぽい音楽が流れ、数人の男女がひそひそと話ししていた。
コーヒーを頼み席に着くと、首や背中の肉が、油が切れた弦にでもなったかのように、ぎしぎしきしんだ。夜行では、高速の揺れと走行音、時おりカーテンの隙間から鋭く天井にひるがえる、対向車のヘッドライトのせいで一睡もできずひと眠りしたかった。うす
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