哲学者、芸術家の世界を変える方法について/yamadahifumi
 
の病に勝ったといえる。一時的といえども、その人間はその病に勝利した。これは人間的な方法論であると共に、世界に対しても有効な方法論である。…なぜなら、そのように記された彼の絶望はやがて、人々の共感を呼ぶからである。それが何故かというと、世の中の普通の人々というのも、この芸術家、哲学者と同じように世界から押しつぶされている存在だからである。だがこの時、この普通の人は、自身の絶望をノートに託す技を持たない。従って、これらの人はなんともいえないもやもやとした、漠然たる不安や不満にさいなまれる事となる。しかし、この普通の人が、この哲学者、芸術家のノートを手に取り、それを見るやいなや、正にそこに自分達が漠然と
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