ホット・スタッフ/ホロウ・シカエルボク
 
きたのか」と言うと少しだけ頷いた、「すげえな」と友達が言った、それからとにかくそこを離れようと思って、車を走らせたんだ、友達が運転して、女が助手席、俺は後ろに座ってね…俺たちは何度か話しかけたけれど、女は一言も言葉を発しなかった、まあ、もしかしたら今頃喋れなくなってたかもしれないしな、と俺は思った、もちろん口には出さなかったが


もうすぐで山道を抜けて、街へ帰る道に出るというころだった、女はいきなり身を乗り出して、友達が握ってるハンドルに体当たりした、カーブに差し掛かるところだった、車はコントロールを失くして、ガードレールを突っ切って谷底へ転がり落ちた


俺が気付いた時、そこは病院
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