ホット・スタッフ/ホロウ・シカエルボク
 
落ちてる部屋なんかもあって、でかい割にあんまり見どころはなくって、飽きて帰ろうと思ったんだ、その時さ…俺たちは三階に居たんだけど、ある広い部屋で一人の女が首を吊ろうとしていたんだ、まさにその瞬間だった、俺たちはやめろと叫びながらその部屋に飛び込んだ、女はびくっとして、思わず輪っかから身を離して、バランスを崩して倒れちまった、俺たちは女を連れて車に戻った、女はシンニード・オコナーに似ていた―「馬鹿なことをしやがって」と俺は言った、「何があったか知らないけど、死ぬことなんかないよ」と友達も言った、「それもあんな寂しい場所でさ」女は何も答えなかった、ここまでどうやってきたんだ、と俺は尋ねた、「歩いてきた
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