可能性の地獄/yamadahifumi
 
んなものだから。仕方ないわね。」


 ここで語られている問題は非常に悲しいのだが、しかしこの問題は男にも起こっている。そして更に、いや一番嫌な事は、このクリスチヤーヌという女性が過去においても、『愛された事』はただの一度もないという事。彼女が若く、性的魅力に満ちあふれていた時にも、男達はただ、彼女の体の上を通行していっただけだった。そして、それらの男も様々な女の上をいわばリア充として通行していったのかもしれないが、しかしその男たちも年を取れば、またこのクリスチヤーヌのように嘆かざるを得なくなる。こういう男は年を取ると、ジムに通い、健康食品を摂取し、若々しさを保とうとする。だが、それで何が得
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