可能性の地獄/yamadahifumi
こうしてこの男はまた別の女性を求めて旅立つが、しかしこの旅には際限がなく、そしてただ後には徒労感が残るだけである。そしてこういう人間が自分は『リア充』だと威張った所で、それはむなしい。そしてこういう人間は自分の空しさから逃れようとする為に、このように吠え立てたりする。この旅に終わりはないが、しかし得られるものはなに一つ無い。なぜなら、こういう人間は、他人と接触し続け、そして常にその問題は他人に由来すると考えているが、しかし実はその問題は彼の脳の中にあるからである。彼がもしある日、世界最高の異性を発見するにしても、この人物は翌日にはその異性に対して飽き飽きするだろう。この人物はその時、こう独語するか
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