梅雨/
蒲生万寿
まり、知らん振り決め込み
消費と排泄と仮想敵国への悪態に
溜飲を下げる
「シロカニペ ランラン ピシュカン、
コンカニペ ランラン ピシュカン」
銀の滴降る降るまわりに、
金の滴降る降るまわりに
梟の神は歌う
その歌を聴く者は
そう多くはない
人々の直ぐ側に居た神は
森の奥へと入り
森を失くした人々は
一人一人不安を抱えて生きる羽目になった
森は切り拓かれ
財産とも人生とも言えない
わずかばかりの空間を
その生涯を費やす金で買取
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