人間の本質を露呈させるものとしての文学/yamadahifumi
された意味を発見する『解釈』とは似て非なるものである。解釈とは元々、知的な満足感を得たいある種の人々の身勝手な創作に過ぎない。
芸術においては形式=内面である、みたいな事は実はもうとっくに言われ尽くしたことで、今更僕が言うことでもないが、しかし芸術というものを考えると、どうしてもそういう事を言う必要が出てくる。芸術は科学の一種だと僕は最初に言ったが、その意味をここでもう少し考えるなら、それは、内面に忠実であろうとする外在性の正確な配置とでも言えばいいだろうか。例えば、僕が月を見るとしよう。そしてこの時、僕は物凄く落ち込んで、辛い気持ちだったので、月が醜く歪んだ誰かの笑顔に見えたとしよう
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