Mirage/ハァモニィベル
カラの躰を引きずって何処へ行ったろう。時が過ぎ、
やがて誰もが忘れてしまった頃の或る日、貴方の手元に届くのは――
ポストを開けると、中で鷲が旋回し、置かれている切手の無い一通の手紙。
クラッシクで滑稽な現代詩で書かれたヘルツォーゲンベルクからの手紙である。
* * * * *
歩きながら、手紙を開いてみると、音が流れ出た。リリリリ、…ククク…、リリリ、ククク…リリリ、ル〜ル、ル〜ル、……。
滔々と流れ続ける、Bydloの旋律。白く豊かな砂利を、さっきから嫌になるほど踏みしめている。道は、――もう骨を露わにし、とろみながら、 ・・・岸辺に ・・・風に・・・ 音色が舞い落ちる
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)